釣り好きのメガネ屋がおすすめする釣り用サングラスの選び方


以前のゴルフ用メガネの選び方が好評だったので、第2弾として釣り用サングラスの選び方をお話させていただきます。
その上で、実際に自分用として釣り用の度付きサングラスを作製したお話もさせていただきます。

■釣り用のサングラスって必要?

水面はキラキラと眩しく紫外線も反射します

一口に釣りと言っても、海・河川・湖沼と場所も様々。
さらに対象魚や釣り方も沢山あるので、求められる機能は一概にはいえません。
共通点としては水面を見続けている状態なので大変眩しさを感じやすい事、上からだけでなく水面に反射する紫外線を浴びやすい事でしょうか。
眩しさと大量の強い紫外線から眼を守るための機能が必要だと思われます。

サングラスなので紫外線のカット機能は必須です。
濃い色で視界が暗くなると瞳孔が開き、より沢山の光を眼に入れようとするので、キチンと紫外線カットしておかいないと眼の保護になりません。

色が濃いだけではキラキラはなくならない

水面では波や波紋などが反射してキラキラと光ります。
色を濃くすると眩しさをある程度は抑えてくれるのですが、このキラキラとした眩しさは無くなりません
偏光レンズはその水面上の波や、波紋の光の乱反射を抑えてくれます。
使用することで水面下を見やすくしてくれるので、釣り用のサングラスには偏光機能も必要だと思います。

様々な方向からくる眩しい光の向きを整えてカットしてくれるのが偏光レンズです。
水面上の乱反射だけでなく、強い日差しの路面の照り返しや、ウィンドウガラスの反射なども抑えてくれるのでドライブ用にもオススメです。

強い日差しにはミラーコートもオススメです

では水面下を見ることの少ない深い海での釣りならどうでしょうか。
海釣りなどでも長時間水面を見ているので、光の乱反射は疲労に繋がります。
船上など日差しが強い場所ならなおさらです。
濃いカラーレンズにミラーコーティングをすることで、さらに遮光性を上げても良いかもしれません。

朝まずめや夕まずめなどの薄暗い中での釣りの場合は、レンズカラーはそれほど濃くなくても良いと思います。
以前の偏光レンズは濃い色しか選べませんでしたが、『HOYA ポラテックシリーズ』なら薄い色のブライトカラーも選ぶことが出来ます。

サングラスを選ぶ際にはサイズの選択はとても大切です。


レンズサイズの大きいサングラスと小さいサングラスとで見え方を比べてみました。

※画像はカメラのレンズから同じ距離にて撮影しました。

あまり小さいものを選んでしまうと視覚の中に暗いところと明るいところが出来てしまうので疲れやすいです。
紫外線から眼を保護するためや、物理的な危険から眼を保護するためにも、ある程度大きめな方が良いです。
針の沢山付いた仕掛けや重りなど、釣り場には危険がいっぱいです。

遠近両用も選べます

ご年配の方は手元の見え方も気になる所ではないでしょうか。
糸を結んだり、仕掛けの交換、餌の付け替えなど近くを見る機会は多いものです。
ベテランだと「手の感触と勘で見えなくても大丈夫」なんて仰る方もいらっしゃいますが、なかなかそうもいきませんので遠近両用レンズがオススメです。
歩くことが少ない釣りなら、少ない視線移動で手元が見やすい【累進帯が短いタイプ】
歩き回る釣りなら、足元までが広く見やすい【累進帯が長いタイプ】と釣り方に合わせてお選びいただけます。

※累進帯とは遠方の見やすい所と、近方の見やすい所の間の徐々に度数が変化する部分です

■自分用の釣り用サングラスを作ってみました

出来上がった釣り用のサングラス

出来上がった度付きのサングラスがこちらになります
私の使っている釣り用の帽子がハットタイプなので、ちょっとクラシカルなボストンタイプにしたかったのですが、私は顔が大きくて丁度いいサイズがなかなか見つかりませんでした。
なので、縁無しフレームを選び、レンズサイズを大きくすることで顔に合わせました。
以前の挟み込みタイプの偏光レンズでは選べない縁なしフレームですが、今回はコーティングタイプの偏光レンズなのでフレームのタイプはどれでも大丈夫なのです。

河川での釣り用にカスタマイズ


私が行くのは河川タイプの管理釣り場です。
ドライフライ(浮く毛針)を使用して水面下の魚の動きを見ながらの釣りです。
そんなに暗いうちからの釣りではない事と、木々の影の部分も見たいので、ミラーコーティングのようなすごく濃いレンズカラーは必要でなはいと考えました。

レンズの設計は遠近両用タイプを選びました


魚の反応を見ながら頻繁に毛針を付け替えるので、手元が見えないといけないし、川岸を歩き回るので足元が見えづらいのも困ります。
今回は遠近両用の設計を遠方視野が広く、足元も見やすい【累進帯が長いタイプ】を選びました

普段のメガネは数年前から遠近両用を使用していますが、釣りの時は遠方用の度付きの偏光サングラスを使用していました。
手元を見る時はサングラスを外したり、いつものメガネ(遠近両用)に偏光タイプの前掛けサングラスを使ったりしていたのですが、どちらも面倒だったり重かったりと今一つしっくり来ませんでした。
そこで「楽しむための釣りなのに我慢するのはおかしい」と思い、偏光の遠近両用レンズでの新調をしました。

レンズカラーはHOYAポラテックシリーズのGグリーンを選択

釣りをされる方のなかではブラウン系の方が目印の色を強調してくれるので見やすいという意見もあります。
私は色味の変化が少ないほうが好みなので、グレー系や濃いグリーン系を以前から使用しています。
なので今回のレンズはHOYAの度付き偏光レンズ【ポラテックシリーズ】のGグリーンを選びました。

■実際に釣りに使ってみました。

出来上がった釣り用サングラスを持って釣りに行ってきました。
色の濃さも暗くなり過ぎず、明るい所から木陰の暗い所までどちらも見やすかったです。
色味の変化が少ない濃いグリーンを選んだので、自然な見え方でした。
偏光機能もしっかり効いて水面の反射を抑えてくれたので、魚の動きを追うことが出来「見てる、来る、来る、来た!」と楽しめました。

気になっていた手元の見え方は、【累進帯が長いタイプ】なので、いつもの遠近両用メガネより少し多めに視線を下げる事で、細い糸を結んだり頻繁なフライの付け替えも楽でした。
足元も危なげなく歩き回る事ができて、ストレス無く釣りを楽しめました。

■嬉しい誤算

以前の偏光レンズの時は、私のバイク用のヘルメットと相性が悪く、シールドはギラギラと虹色に光って見えてしまいツーリングには使用出来ませんでした。
けれど、今回は全く無いとは言えませんが、あまり気にならず路面の照り返しも抑えてくれるので、快適に走れました。

スマートフォンの画面を見ても、前は縦横の向きによって真っ暗になって使用出来ないこともありましたが、今回も黒っぽくなり快適ではないですが、写真の確認やメールチェックが出来るくらいの見え方にはなりました。
※スマートフォンなどの液晶パネルには偏光フィルターを使用しているので、偏光レンズで画面を見ると、角度によって光を通さず黒くなってしまう場合があります。

ヘルメットのシールドや、スマートフォン、ナビなどの液晶画面とは相性もあるようなので、どれでも使用できるとは限りませんが、以前のフィルムを挟むタイプより影響は少ないのかもしれません。

■やっぱり釣り用のサングラスは必要だと思います

サングラスなので紫外線カットはもちろん、偏光機能もあった方がより楽しめるでしょう。
必要な方には遠近両用もおすすめです。
眼の保護や楽しむ為の機能がストレスを軽減し、休日をより楽しく過ごしてリフレッシュする事が出来ると思います。
海釣りは一年中シーズンですし、河川や湖などは来シーズンに向けての準備としてご検討をオススメいたします。