運転経歴証明書ってご存知ですか?運転免許の自主返納について
当店で視力測定する際に、『免許はお持ちですか?』『運転はされますか?』という質問をよくします。その答えで、年配の方からは『免許持ってたけど、返したよ。』『返納したよ。』と言われることが多くなりました。
自主返納ってよく聞くけど、実際どういうことなのか?
自主返納した後、どのような生活やメガネの変化があるのか?などを書いていこうと思います。
運転免許証の自主返納ってなに?
そこで自主返納について少し調べてみました。
そもそも自主返納とは、運転免許証の取り消しを申請する事を自主返納といって、平成10年4月1日から制度化しています。
なので、違反等で免許取消になったり、有効期限が切れてしまって更新していないという場合は返納ではないんですね。
では、なぜこの様に自主返納を制度化したかというと、高齢ドライバーの家族等から事故の心配をする声が多いという事、高齢ドライバー本人の運転に対する不安の相談などが背景にあったようです。
現在はニュースで取り上げられる事が多いからか、高齢ドライバー本人よりもその家族が心配をして返納を勧めているという方が多い気がします。
しかし、実際に自主返納した方への調査では
- 運転の必要がなくなった 69.9%
- 身体機能の低下を自覚した 18.2%
- 家族、友人の勧めを受けた 6.0%
- 適性検査を受けた結果を参考とした 0.5%
- 高齢者講習を参考とした 1.3%
- その他 4.0%
という結果が出ています。(神奈川県警察ホームページより)
返納理由を見ると、上位2項目は周囲や検査などに左右されず、自分で決断している事がわかります。
いくら家族が心配していても、最終的に自分自身で納得しないと返納には至らないというところでしょうか。
自主返納を申請するともらえる運転経歴証明書とは
運転免許証を返納しない理由の1つに『身分証が無くなってしまうから』というのが挙げられると思います。
そのような心配をしているみなさん、運転経歴証明書をご存知ですか?
運転経歴証明書は、運転免許証と同じ大きさで、運転免許の申請取り消しをした日から過去5年間の運転経歴を証明するものです。
免許証を持っていた全ての方に自動で交付されるわけではなく、申請が必要です。
申請できるのは
- 有効期限内の全ての運転免許を自主返納をされた方
- 自主返納されてから5年以内の方
が対象です。
前述したように、有効期間の切れた場合や、一部の免許だけ返納したという方は交付の申請はできません。
運転経歴証明書は、金融機関や公的な本人確認書類として有効なものと定められています。(平成24年4月1日以降に交付されたものに限る)
高齢になって、『運転はしないけど、身分証代わりに持っている』という方にぜひお勧めしたい証明書です。
また、当店所在の神奈川県では、『神奈川県高齢者運転免許自主返納サポート協議会』というものがあって、加盟企業に運転経歴証明書を提示する事で様々な特典が受けられます。
注)ここでは公安委員会が発行する運転経歴証明書の話をしています。似た名称で自動車安全運転センターか発行する運転免許経歴証明書というものがあります。運転免許経歴証明書は、これまでの免許の経歴を証明する書類で、身分証明書にはなりませんのでご注意ください。
運転経歴証明書を持っていると、色々な特典が受けられます
先程紹介しました『神奈川県高齢者運転免許自主返納サポート協議会』に加盟している企業には、神奈川県警察からこのようなステッカーが配布されます。
平成31年3月15日現在で124の企業が加盟していて、どのような特典があるのか神奈川県警のホームページからもご覧になれます。
神奈川県高齢者運転免許自主返納サポート協議会加盟・協力企業・団体一覧表
店舗だと出入口やお客様の目に入りやすい場所に掲示してあると思います。
そして、当店も加盟している一企業です!
特典内容は、
- メガネ一式10%割引き
- その他店内商品5%割引
(一部対象外商品あり)
です。
他の加盟企業の特典も見てみましたが、魅力的な特典が数多くありました。
一部紹介しますと、車に関係しているものだと、車売却で商品券プレゼントや電動自転車購入割引など。
宿泊施設や温泉施設は、宿泊料金・入場料金の割引、併設レストランのドリンクサービスや利用料金割引など。
運転をしないのが前提なので、宅配すし・宅配ピザの割引や、デパートの配送料無料などもありました。
車を使ってお出かけをしなくても、電車・バスで出かけて温泉に入って、宿泊する。
ホテルのレストランでお食事をする。
デパートでお買い物をして手ぶらで帰ってくる。
家族や友人と宅配すしやピザでホームパーティー。
など、返納した後の楽しみが増えそうですね!
自主返納後のメガネの変化
運転免許証を持っていて眼鏡使用になっている方は、視力0.7以上の運転用メガネが必要です。
自主返納した後は、必要なメガネが少し変わってくるかもしれません。
今までのように運転に特化したメガネではなく、変化する日常生活に根付いたメガネに移行していくと良いかと思います。
遠近両用の中近重視のシティタイプ
例えば、免許返納後はお買い物にしても、車を出してまとめ買いではなく、近所のスーパーに必要なものだけ買いに行くとか、重い物はネットスーパーに頼むようにする、など変化が出てくると思います。そのような時は遠近両用の中近重視のシティタイプに移行すると、街中からパソコンまでカバーできます。
朝夕のお散歩、ガーデニング、楽器演奏や合唱が新しいご趣味に加わったという方はこのシティタイプがお勧めです。
室内用の設計のルームタイプ
映画館での映画鑑賞から自宅でのDVD鑑賞に変化したり、時間をかけて作ったお料理を振舞ったりと、自宅で過ごす時間が増えた方は室内用のルームタイプがお勧めです。
アクティブに外で使うフィールドタイプ
今までも運転は遠近両用でしていたし、不便はないよという方は、今まで通りの遠近両用のフィールドタイプのままで、遊びに特化したメガネを作るのはいかがでしょうか?
旅行、ゴルフ、釣りなど屋外で楽しまれていた方はこちらのフィールドタイプがお勧めです。
例えば、旅行の機会が増えるという方は、一本二役の調光レンズがお勧めです。
調光レンズは屋内では無色に近く、屋外の紫外線量によって色付きます。旅先でなるべく荷物を減らしたいという時に便利ですね。
ゴルフや釣りの回数が増えるのであれば、偏光レンズがお勧めです。
偏光レンズは、一定方向の光をカットするので、釣りでの水面のギラつきを軽減できます。ゴルフではグリーンの芝目が見えやすくなるといわれています。
パソコン、読書、裁縫などがご趣味で、手元を見る時間が長いという方には、王道ですが老眼鏡がお勧めです。
老眼鏡も一つあれば十分というわけではなく、作業目的距離に合わせた度数のメガネが必要です。
ライフスタイルもいろいろですから、使用される環境にこだわり、何をご覧になりたいのかを考慮し、より快適な見え方をご提案できるかと思います。
今までのメガネで不満なく過ごされていても、生活パターンが変われば必要になってくるメガネも変わると思います。
日常生活の変化があった時には、視力チェックと共に、ご相談いただければと思います。