ハズキルーペと老眼鏡の違い
ハズキルーペを取り扱い始めてから「老眼鏡と何が違うの?」と質問される事が多くあります。
今回はその違いや、ルーペとはどのようなものなのか。
どんな種類があるのか等、紹介していきます。
■ルーペってそもそもどんなものなの?
ルーペ(Lupe)とはドイツ語で、日本語では【拡大鏡】や【虫眼鏡】と呼ばれています。
ルーペを通して物を見ると、対象物が大きく見えるのが特徴です。
ルーペには倍率というものがあり、倍率が大きいほうがより拡大されます。
高倍率のルーペは大きく見えますが、レンズ経が小さく見える範囲は狭くなります。
低倍率のルーペは大口径の物が多く広い範囲で見えますが、あまり大きくは見えません。
【使い方】
使い方は倍率により異なります。
- 高倍率のルーペ(目安として倍率4倍以上)
ルーペを眼に近づけ対象物を見ます。
焦点距離が短く、狭い範囲がよく見えるので、観察や検査などに適しています。 - 低倍率のルーペ(目安として倍率3倍以下)
ルーペを対象物にかざして見ます。
焦点距離が長く、ある程度広い範囲が見えるので、新聞や読書に適しています。
これを機に使い方を改めてみると、きちんとした効果が得られると思います。
■ハズキルーペと老眼鏡の違いとは?
まず、ハズキルーペとはどんなものなのか?
TVCM等で目にする機会も増え、ご存知の方も多いかと思います。
〈両手が使えるメガネ型のルーペ〉がハズキルーペです。
従来のルーペは、片手に持ちながら対象物を見るので、手芸やプラモデルなどの両手を使うことには適していませんでした。
ハズキルーペはメガネ型なので、両手が使えるという画期的なルーペです。
ただ、メガネ型なだけに老眼鏡との違いがわかりにくくなっているのが現状です。
では、両者の違いは何かというと
ルーペは対象物を拡大して大きく見せるものです。
これに対して、
老眼鏡は見たい距離にピント調整をするものです
例えば、新聞を読む時に、老眼鏡は30~40cmに合わせてよく見えますが、文字を大きく見せる為のものではありません。
逆にハズキルーペでは大きくは見えますが、自身の見たい距離に合わせるのは難しいです。
さらに近視や遠視、乱視の眼鏡を掛けている方は、メガネの上から掛けないと文字はハッキリと見えてきません
■その他のルーペの紹介
これまでハズキルーペを主に紹介しましたが、その他のルーペを紹介していきます。
手持ちルーペ
まず、オーソドックスな手持ちのルーペは大きさも種類も豊富に揃っています。
このタイプはレンズの一部に高倍率のレンズが埋め込まれていたり、照明付きの便利な物があります。
ポケットタイプルーペ
持ち運びに重宝するポケットタイプは、レンズがケースに収納されていて、大変コンパクトです。
品物によっては、倍率の違うレンズが複数入っていて、低倍率から高倍率までカバーできる物もあります。
ペンダントルーペ
女性に嬉しいのが、ペンダントルーペです。一見ルーペとは分かりづらく、シンプルなものから華やかなものまであり、ネックレス感覚で持てると思います。
ほんの一部を紹介しましたが、他にも色々な種類の物が販売されています。
■ルーペの倍率について
最初にも説明しましたが、ルーペには倍率があり見え方の目安になります。
表記も2パターンあり、1.5倍や2倍と倍率で表記してあるものと、4D、6D、12Dとディオプトリーで表記してあるものがあります。
ディオプトリー(Diopter)とは、レンズの屈折力の単位で、焦点距離を表す時に使います。
倍率で表記されていれば、大きい数字=高倍率で分かりやすいです。
ディオプトリー表記の場合もDの前の数字が大きい方が倍率が高いのですが、何倍か算出したい場合は、
ディオプトリーD÷4+1
で倍率が出ます。
海外メーカーに多いのですが、+1をしないで倍率計算されている場合もあります。
ハズキルーペの倍率はというと、1.6倍のみで長く販売していましたが、最近では1.32倍と1.85倍が新しく販売されるようになりました。
購入する際は参考にしてみてください。
ルーペは倍率によってレンズと見るもの、眼とレンズの距離が異なります。
ご自身の使い方に合った物が見つかると、快適な見え方が得られます。
■まとめ
ハズキルーペはメガネ型ですが、拡大鏡なので見たい距離で見えるのではなく、見える距離に合わせて使います。
- 1.32倍の推奨距離は50~70cm
- 1.6倍の推奨距離は30~40cm
- 1.85倍の推奨距離は22~28cmです。
若い方でもこの距離で作業する時には、大きく見えます。
普段から近視や遠視、乱視などのメガネを掛けている方は、その上からハズキルーペを掛けないと文字はハッキリしません。
老眼鏡は、近くにピント調整が難しくなった年齢の方が、見たい距離合わせて度数調整をしていきます。
それでも、小さくて細かい文字などが見えにくい場合に、老眼鏡の上からルーペで見ると、大きくハッキリ見えてきます。
どちらにしても、まずはメガネがきちんと見たいものの距離に合った状態にすることが重要です。